歴史観光スポット

岩櫃城本丸址

武田の三堅城はダテじゃない!

岩櫃城は標高802メートルの岩櫃山全体を機能的に活かした巨大な山城。甲斐の岩殿城、駿河の久能城と並び武田の三堅城と呼ばれている。西側、南側は巨岩による絶壁と吾妻川により守られており、おもに上杉や北条を意識して東側の防御に重きをおいている。特徴的な岩櫃山の正面から見ると、城の中心地は裏側に隠れているように存在している。「なんだ、あの厳めしい山の顔は見せかけだけか!」と侮ったあなた、それは大きな間違い。すでに真田の術中にはまっていますよ。

本丸に攻め込むのは、タダごとじゃない

隠れるように地味に山腹に広がる岩櫃城は、実は、縦横多様に伸びる無数の深い堀と、それを見下ろす数々の曲輪、自然の地形、複数の支城が連携構築された恐怖の城。本丸への近道は、岩櫃山の西側からの登り口「平沢口」登山道となるが、かつてはこの登り口にたどり着くのさえ至難だったことだろう。途中、複数の堀切にそれぞれ大坂城「真田丸」の原型にもみえる斥候曲輪があった。それらを抜けたところは町人街「平川戸」だが、その町は第1次上田合戦を彷彿とさせる迷路のような仕掛けだったかもしれない。それを眼下に見下ろす天狗の丸、そしてそれらを挟みこむように配置された土塁と深い堀、さらには、忍者集団を統率していた出浦昌相による出浦渕が待ち受けている。どんな罠があるのか、だれも知らない魔の渕だ。でも、でも、安心してください。今は伏兵や罠、火攻めに遭うこともなく登山道入口まで車で登れます。トイレまであります。

現在は、歩いて30分でパッと本丸

登山道から歩き始めると、なんと10分ほどで、早くも中城の開けた扇状地。その先の全長100メートル以上の一直線竪堀を登れば、もう三の丸。左手に碁盤の目曲輪を感じた頃には、本丸まであと150メートル。付近に群生する篠竹を「これは矢の原料だな」などと想いを巡らしながら、急な短い木製階段を登れば二の丸。頭上(本丸)からの射撃や投石に気をつけて、最後の堀を乗り越え、斜面を進めば、本丸。登り口からは、わずか30分足らずの城攻め。そのまま進めば岩櫃山頂に行けるけど、本丸を抜けたところに複数の枡形が!伏兵に襲われるかもしれないので、お気をつけ下さい。

みなさんの真田様への熱い思いを本丸に残してください

本丸にはあづまやがあり、登山者ノートが備え付けられている。みなさんが感じた岩櫃城、道中に天から響いた真田幸村様の声をご自由に書き込んで下され。本丸には河川にあるような巨大な丸い岩もあり、「なんのためにこんな石がここに運ばれたんだろう?」という謎に思案を巡らすのも健全な岩櫃城本丸の楽しみ方ですよ。近年では、発掘調査が行なわれ、この本丸から石垣や鍛冶場・鉄砲玉などが発掘されている。